最新SARS情報(5月6日23時) 


SARSに関する最新の正確な情報がマスコミなどを通じてきちんと流れているとは言い難いので、このページを作成しました。
インターネットで調べれば、多くの情報が流れていますので、それを紹介し、政府などの情報を検証します。
このページは、専門家や政府関係者としてではなく、一国民として情報を検証しているものです。
このページに関する情報に関して、責任は負いかねますのでご了承下さい。
一つの参考にすぎません。




2004年5月6日

SARSの感染源は未だ不明です。
第1世代の感染者である22歳の大学院生のいた、北京の国立ウイルス研究所をWHOと中国の共同調査チームが調査したところ、二人の大学院生はSARSに関わる研究に携わっていないうえ、研究の過程での感染の可能性を示すミスもなかったそうです。
研究所外での感染の可能性もあります。 

http://www.who.int/csr/don/2004_05_05/en/print.html



2004年4月26日

中国で発生した患者はウイルス研究所経由である可能性が濃厚です。

http://www.moh.gov.cn/zhgl/zt/yqfb/1200404260002.htm

二次接触者は多く、アウトブレイクする可能性も小さくありません。
厳重な警戒が必要です。
http://www.moh.gov.cn/zhgl/zt/fdgzdt/1200404250002.htm(患者と同じ列車に乗り合わせた乗客に病院での受診を呼びかける告示)


1月17日
広東省で更に2例のSARS患者の感染が正式に確認されました。
http://www.moh.gov.cn/zhgl/gzdt/1200401170012.htm

 中国衛生当局は接触者について調査し、二次感染の危険性はないことを確認しているようです。
しかし、中国政府はSARS患者発生の噂を否定していたこと、多くの中国での噂(公式には未確認)からすれば、公式には発表されていない、何か未知の事態が生じている可能性もあるでしょう。
 日本の検疫体制は大丈夫でしょうか。
 少なくとも日本の体制は内実を知る者によれば、アウトブレイクには対応できません。危機管理体制は極めて脆弱なものです。


1月5日

中国衛生部は広東でSARS患者の発生が確認されrたと正式に発表しました。WHOによる検証も経ています。この患者と接触した81名については、今のところ感染した兆候はなく、二次感染の危険はなさそうとのことですが、感染源はわかっていません。
日本においても厳重な警戒が必要ですが、わが国の検疫体制は未だ人手不足のようです。

http://www.moh.gov.cn/zhgl/yqfb/1200401050006.htm


以下は2003年の情報です。

SARSウイルスの生存力
 かなり強いウイルスです。75%アルコールで5分以内に死滅すると言うことです。75%の濃度を5分以上維持するのは難しいことですので、市販の消毒剤で完全に死滅させることは難しいと言えましょう。SARSウイルスを完全に死滅させるには、人間の方がまいってしまうような強力な消毒が必要で、日常生活では非現実的です。手洗いをきちんとするなどの当たり前の対応が肝要と言っていいでしょう。
なお、ウイルスは栄養のない状態では、長くても4日もあれば死滅するようです。

http://www.who.int/csr/sars/survival_2003_05_04/en/index.html

SARSへの感染

WHO主催の専門家の会議では、症状のない人からの感染例、動物からの感染例は報告されていないとのことです。日常生活で、38度以上の発熱や、ひどいせきこみをする人がまわりにいない限りはとりあえずは安心といっていいでしょう。
また、この会議ではSARSの潜伏期間が最大10日であることも確認されています。

http://www.who.int/csr/sars/archive/2003_05_17/en/
 

発病から10日くらいで患者から検出されるウイルスの量が最大になります。ヴイルスの量は逆V字カーブを描いています。(5ページ Figure4)
これより、発病直後の患者からの感染確率は低いことが推定されます。

英国医学誌 Lancetより

以上よりすれば、台湾人医師から伝染した可能性は低いとする厚生労働省の見解は十分な根拠のあるものと考えられます。
SARSウイルスの生存期間からして、現在、施設に対して、行われている消毒は必要のないものと考えられます。
ホテルなどの従業員から発熱などの症状が今のところ出ていないことからすれば、医師の滞在したホテルなどの施設の現在の危険性は低いものと考えられます。
医師が発症してから日本に滞在していた期間が短いことを考えると、現在、厚生労働省の行っている接触者への大規模な追跡調査は、念には念を入れる類のものと言っても良い考えられます。
以上よりすれば、厚生労働省のSARSに対する発表・対応は信頼に値するものと考えられます。
現在、キャンセルなどがかなりあるとのことですが、必要以上に恐れる必要はないと考えられます。冷静に行動しましょう。

台湾・カナダでの再度の流行について

WHOでは、台湾の病院のエマージェンシールームの管理に問題があったと見ています。
WHOは適切な対応を続ければ患者の増加は防げそうだと見ていましたが、21日には渡航延期勧告を出しました。
ただ。WHOは台湾の病院の管理が原因であると見ており、原因不明の事態ではないと考えているようです。


http://www.who.int/csr/don/2003_05_22/en/

カナダでも再度患者が増えていますが、病院経由で感染したと見られています。WHOはカナダの方は感染源の把握・感染者の把握もしっかり出来ており、感染地域には指定したけれども、渡航延期勧告を出す必要はないと考えています。

http://www.who.int/csr/don/2003_05_26/en/

SARSの感染は近距離での接触(1メートル以内での会話なと)で生じ、すれ違ったり、短い時間患者と同室したなどでは感染しないとされています。
http://www.cdc.gov/ncidod/sars/qa/spread.htm#2

カナダの2次感染例でも、医療関係者や患者の家族が感染しているとのことです。
医療従事者は感染の危険が高く、危険でしょうが、一般人は町中で感染する危険性は低いとこれまでの症例からは結論するのが妥当と考えられます。
もちろん、SARSの病状が現れている人が徘徊していれば話は別になりますが、これは咳をしているか否かで見分けがつくと思われますし、このご時世で現実には少ないと考えられます。

 

中国での流行について

中国は日本より衛生状態が悪いです。また、人口も多く、また、人の異動が激しく、国が感染者を完全にトレースするのは困難であるようです。何日もかけて走る長距離列車も多く、列車内での感染の危険性も高いようです。また、列車内の衛生状態はおせじにも良いものとはいえません。
そして、38度以上の熱のある乗客が列車内で発見されたりして、その列車に乗った乗客に対し、医療機関に出頭するように公告がされている状態です。

http://cn.news.yahoo.com/sars_gonggao/index.html

中国からの友人の手紙を見ても、危機意識は低いようです。日本のテレビでは中国国内が大騒動になっているように写されているが、それは一部を写しているだけであって、実際はマスクをしないで歩いている者も多いとのことです。

中国でSARSの蔓延するのも不思議はありません。
逆に日本は中国とは環境が違います。仮に患者が発生しても、中国のように蔓延する可能性は低いと考えられます。
ただ、中国の検疫体制は完全に網羅されているとは言えませんが強化されてきています。人権意識の低さが皮肉にも効を奏してきているといえるでしょう。これに対し、中国より人権意識の高い日本の検疫体制は緩いものとなっています。シンガポールのように空港でのチェックを厳しくするのももっと必要なことなのかもしれません。予算をもっと振り向けるべきでしょう。
日本に更に上陸する可能性は否定できませんが、上陸したとしても大きく蔓延する(アウトブレイク)ことはなさそうだというのが現在考えられることと言えます。
日本では結核で毎年2千人以上が死亡していることを考えますと、SARSが特に恐ろしい病気とはいえないかもしれません。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/09/h0919-2.html

安全宣言について
 13日から10日の潜伏期間がすぎれば安全であるという見解ですが、検疫所の通報の遅れなどを考えるといかがなものかと考えられます。
 WHOはSARSの流行の終息宣言を出すには、安全を見て、潜伏期間の2倍の20日の経過を観察しています。
 今回は、2感染者が見つかっていないことや、台湾人医師の発病からの期間を考えらると、10日たてばまず安全と言って良いでしょうが、公的機関としては、余裕を見て、安全宣言を出すのは、20日後が望ましいのではないでしょうか。
  厚生労働省に早く安全宣言を出すようにと迫るのはナンセンスだと考えられます。
 ただ、誤解してはいけないのは、安全宣言は関西に限ったものではないということです。仮に感染した者がいるとしますと、移動していて関西以外にいる可能性もあるのです。
 そもそも、関西での旅行などで感染する可能性は、もともと極めて低いものです。
 もし、これで感染するおそれがあるのならば、既にWHOが日本への渡航延期勧告を出しているはずであることよりわかるでしょう。
 安全宣言とは台湾人医師の問題の終結を意味するもので、関西が安全か否かの問題とは異なるものであるはずです。


食品からの感染について

WHO主催の専門家の会議では今のところ感染国からの食品からでも感染するおそれはなさそうとのことです。ただ、安全のため警戒はすべきであるとしています。
安全のため、加熱調理などの警戒は必要でしょう。
http://idsc.nih.go.jp/others/urgent/update61-mad.html

http://www.who.int/csr/sars/guidelines/madridmeeting/en/



以上の情報を総合すると、小豆島などへの旅行をとりやめる合理的理由はないと言えます。


厚生労働省はSARS患者をなかなか認めないか

 週刊誌では厚生労働省はSARS患者となかなか認定しないような厳しい基準をとっているとの記載が一部見受けられます。
 これは正しいでしょうか。
 WHOでは、SARSは他の伝染病と次の点で際だった特徴があるとしています。すなわち、普通の伝染病では発症の初期に患者は多くのビールスをまき散らすのに対し、SARSでは発症の初期ではあまりビールスは出ず、およそ10日間くらいたってから出てくるビールスの量が最大になるとのことです。
 このため、発症の初期ではビールス検査が技術的に難しいとのことです。
 また、患者の免疫反応も発症から5,6日経ってから始まり、信頼できる抗体検査も発症から10日くらい経ってからでないとできないそうです。
 これらのことから、SARSの確定診断は、症状や渡航歴やレントゲン画像やや患者と接触したかどうかなどの問診によることになり、発症初期の確定診断が難しいそうです。
 このため、とりあえず、疑いのある者を隔離して、それから診断を確定することにならざるをえません。
 そのため、それらしい患者が出て、隔離したとしてもただちにSARSと判断することはできないということになります。
 http://www.who.int/csr/don/2003_06_02a/en/
それらしい患者が出てもただちにSARSの疑いありと発表されないのはある程度やむを得ない面があります。
 厚生労働省の対応に、政治的判断が介在することは否定しがたいにしても、今のところ何かを隠そうとていたとか、あえて発表しないようにしていたとか勘ぐる必要はなさそうに思えます。
 厚生労働省の発表は今のところ概ね信頼できるものと判断できます。


トロントでの二次感染の発生
 WHOによれば、おそらく院内感染を原因とするSARSの流行に関し、二次感染が発生しているとのことです。これは、警戒を怠ればSARSが再び流行することのありうることを示しています。
 SARSのような有効な治療法のない伝染病は、患者数が減少し、人々の警戒が緩んだ時に再び大流行することが多いそうです。トロントの再流行はこのことを示しているとも言えます。
 関係機関を初めとして国民全員の関心を低くしないことがこの時期重要でしょう。特に入国者の監視はきちんと続けられる必要があります。
 ちなみに、トロントでのSARSにかかったおそれのある患者は把握されている模様で、WHOはトロントへの渡航延期勧告までは出していません。
http://www.who.int/csr/don/2003_06_11a/en/



日本に観光に来た台湾人の男性が6月23日にSARSの症状を発症し、可能性例として隔離されました。PCR検査は陰性で、SARSであったとしても二次感染の危険は殆どないでしょう。
しかし、マスコミはなぜあまり報道しないのでしょうか。

http://www.who.int/csr/don/2003_06_25/en/


上記男性については、27日にインフルエンザB型であることが判明しました。
インフルエンザとSARSは現段階で発症の段階で区別することは難しく、冬にSARSが流行した場合、インフルエンザ患者と区別しての的確にSARS患者を隔離することは難しく、危険が予想されます。


http://www.who.int/csr/don/2003_06_27/en/




WHO発表「SARSの疫学に関する合意文書(10月17日)」の要旨(10月21日追加)

1 SARSが空気感染するという証拠は見出せなかった

 主な感染ルートは目や鼻や口からの呼吸器からの飛沫による直接の接触によっている。、

 一人の患者から二次感染した例は平均3人であり、これはまさしくインフルエンザや麻疹のような空気感染する疾患と異なっている。

 このことから対策としては、頻繁に手洗いをするという簡単な感染症対策が効果的であると結論できる。

2 医療従事者は高度の危険にさらされる

 医療従事者の感染率は極めて高い。マスク、保護メガネ、保護服、グローブをしても感染している例、症状の低い患者との短時間の接触でも感染した例もある。


3 感染の危険が最大になるのは
10日目である。

 排菌量が最大になるのは発症から10日目であり、以降は減少する。感染の危険が最も高いのは重傷の患者または急速に症状の進行する患者からである。通常発症から2週目の患者から感染する。発症から5日以内に隔離された患者からの2次感染の例は少ない。しかし、皆無とはいえない。

4 発熱が収まってから10日以後の2次感染はない。

 これは退院をいつにすべきかに有用である。


5 子供はほとんど感染しない。

 子供から大人への感染は2件であり、子供から子供へ感染した例は見られない。疫学調査では学校の中での感染例はない。さらに妊婦から胎児への感染例もない。子供のSARS耐性についてはさらに研究を要する。


6 香港のホテルでの感染の機構は未だ解明されていない。

 上記については多くの研究がされているが、問題はすべて解明されていない。

 香港のホテルで採取した検体は3ヶ月を過ぎてもPCR陽性であった。SARSコロナビールスのRNAは検出されても、ビールスは活性ではなかったが、これは、ビールスの耐性を示唆する。

 香港のホテルの例はスーパースプレットイベントと認識されているが、この患者から高いビールスが検出されているわけではない。 


7 飛行機内での感染の危険

 航空機内ので感染は5つのフライトで発生している。空港での出国規制をWHOが勧告した3月27日以降の感染例はない。


http://www.who.int/csr/sars/archive/epiconsensus/en/



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