喫煙問題FAQ


Q1 たばこを吸っていても長生きする人がいます。たばこは身体に悪いとは言えないのではないですか。

A1 これはたばこ会社によって、良く言われることです。例えば、結核でも結核菌に感染しても必ずしも発病するとは限りません。だからと言って、結核菌が結核の原因でないとは誰も言いません。
 たばこも同じことです。
 特に研究によって、たばこは細胞のDNAに損傷を与えることがわかっています。たばこによる健康被害は人工的に遺伝病を起こすように実験しているようなものなのです。遺伝病のため、たばこは私達の子孫にも影響を与えます。
 問題なのはDNAには重要な部分とそうでない部分があるということです(エキソンとイントロン)。たばこによって与えられる損傷がどこに起きるかによって、病気になるかどうかが決まります。あたかも、喫煙は拳銃でロシアンルーレットをしているようなものです。
 長いことやっていれば、弾が当たる確立が高くなりますが、運良く当たらない人もいます。ですので、たばこを吸っていても長生きする人もいるわけです。
 また、たばこの化学成分には遺伝子以外の細胞に損傷を与えるものもあります。それらは、もっと早く効果がでたりします。
 しかし、いくら実験の結果を見ても自分は信じないと言う人はいます。
 ウイルスやら細菌やらが病気の原因であるとわかったのも人類の歴史では最近のことです。それまで、人間は、病気は魔物によって起こされるとか迷信を信じていましたし、まじないなど今から思うとトンデモナイ治療をしていたことも人類の歴史からしたら、つい最近までのことです。
 たばこが身体に害がないと言う迷信は残念ながら未だに信じられているということでしょう。
 少なくともたばこを規制している国では目に見えて病気が減っています。



Q2 たばこを吸っている人とたばこを吸わされている人(受動喫煙)では本来同じ病気が起きてるはずではないでしょうか。
なぜ、受動喫煙問題が叫ばれるのですか。

A2 たばこの煙を吸えば基本的に吸う本人も周りも同じ病気が起きるはずです。しかし、これまで、たばこ会社はたばこを吸う本人には危険があるかもしれないが、まわりで吸わされる人には害がないと言うことの宣伝に力を注いできましたし、莫大なお金をつぎ込んでインチキな研究結果を発表してきました。それは人を騙してたばこを売ってお金儲けをしたいからです。吸っている本人は自己責任だとしても、吸わされる人はそうでないので、たばこ会社としては健康被害に対して言い訳ができないから、受動喫煙問題はたばこ会社にとって大変重要な問題なのです。
 しかし、良心的な研究者達はそれが間違いであると気づき始めました。そこで、たばこを自分は吸わないけれども、吸わされる人に害があると言うことだけを特に証拠で示そうと研究しました。そのため、たばこを吸う本人と、吸わされる周りの人の問題が分けられることになりました。本来は同じ危険があるはずです。
 ただ、現在のところ、たばこを吸う本人と、吸わされる人では、起きやすいがんの種類が違っていたりすることがわかっています。
このことはまだ完全には解明されていません。
 有力な仮説は、たばこが好きになる人とそうでない人では、もともと持っている遺伝子が違うのではないかということです。実際そのような証拠が見つかってもいます。
 いずれにしろ、どちらも身体に悪いことは疑いがありません。



Q3 そんなに身体に悪いものがなんで平気で売られているのですか。

A3 簡単なことです。お金のためです。
 たばこは麻薬で、一度吸い始めると簡単にはやめられません。そのため、逆にたばこは、ものすごく儲かります。その魔力に人はなかなか勝てないのです。
 例えば、東京都の江戸川区の区長は、日本たばこ産業の協力を得て、たばこは害がないと裁判所で主張しました。本来、人の健康を害するようなことは積極的にやめようと言わなくてはならない、長と言う立場にある人がたばこをいっぱい吸ってもらおうと、平気でこんなことをしてしまうのです。
 その区長の主張は、今現在、完全に間違いであることがわかっていますが、反省もしないで、未だに長として政治を行っています。
 たばこは、たばこ税と言う形で政府にお金が入るのと、自分がたばこ中毒だと正常な判断ができないので、こういうことが現実にあるのです。 
 これに対して、法律などを作って、たばこを取り締まろうとしている長もいます。
 たばこが害があるかないかの判断も裁判官によって分かれています。
 人間には善悪の二面性があります。政治家を選んでいるのはほかならぬ私達です。私達がどちらを選ぶかで世の中が変わります。
 たばこに関しては未だ悪が日本でははびこっている状態なのでしょう。
 人の命でお金儲けをするのがいけないと考える政治家が増えてくれば、日本も変わるでしょう。



Q4 たばこばかり何で文句が言われるのですか。

A4 それは健康に大変に悪いからです。
 研究によって、今のところ、空気中にたばこ以上に身体に悪いものが漂うことはあまりありません。これは、大学などで良く使われる生物学の教科書にもはっきり書いてあります。
 自動車の排気ガスも当然、身体に良くはありません。しかし、計算するとたばこに比べると危険度は低いのです。だからと言って、排気ガスを野放しにしていいということにはなりませんが、最も身体に悪いものから取り締まるべきなのは当然のことでしょう。



Q5 建物の中に喫煙所を作って、そこで吸ってもらえばいいのではないでしょうか。

A5 建物中でたばこを吸うと、その煙は簡単に外へは出てゆきません。建物内の換気というのは人が思っている以上に悪いのです。喫煙所で吸った煙は一部は外で出てゆきますが、窓から中へ入ってきたりします。また、喫煙所の入口からの出入りなどによって、建物の中にばらまかれます。また、喫煙する人の身体や、喫煙所の壁からたばこの煙が蒸発して室内にばらまかれます。
 それらを計算すると喫煙所でたばこを吸っても、建物内は汚染されることがわかっています。
 外で喫煙したとしても、煙は流れて来ます。ですので、屋外で喫煙したとから良いと言うわけでも必ずしもありません。
 しかし、人が吸わされる煙の量は、建物内で喫煙する場合の方が多いのです。
 そのため、まず、建物内を完全に禁煙にして、次に屋外を禁煙にしてゆくという対策が多くの国でとられています。屋外ですと、煙が流れてくればよけると言うこともできなくはありませんが、屋内では外に煙はなかなか出てゆかないので、そういうことはできません。また、人は多くの時間を屋内で過ごします。
 そのため、建物内完全禁煙化が国際条約で定められられているのです。
 


Q6 たばこを取りしまると喫煙している人がかわいそうではないでしょうか。

A6 たばこを吸うと言うことは自殺行為みたいなものです。これは冗談ではなく、イスラム教の国では教義上喫煙を自殺行為としている国もあります。
 たばこがどこでも吸えなくなれば喫煙する人は真剣にたばこをやめようと考え始めるでしょう。
 今、自殺しようとしている人に、本人に意思を尊重して自殺行為を手伝うのと、思いとどまらせると、とちらが人間的行為かが問われています。
 たばこを吸えなくしてゆくということは、本来、たばこを吸う人へサービスです。
 例えば大阪府では、役所の建物、敷地から、その周りまで喫煙を禁じています。
 それは、そこで働く人へのサービスであり、役所を利用する人へのサービスでもあります。
 喫煙できる場所をたくさん税金で作って、どんどん自殺行為をしてもらうのは、特に公共機関のやるべきサービスではありません。 



Q7 禁煙はまるでファシズムです。

A7 確かに禁煙はファシズムとも言えるでしょう。
 しかし、煙をまき散らし、吸いたくない人にたばこを吸わせる喫煙者もファシズムです。しかも、それは人を殺します。
 この問題は二者択一です。喫煙も禁煙もどちらもファシズムであるのは間違いないでしょう。 
 人を殺すファシズムか、人を生かすファシズムか、どちらを私達が選択するかの問題なのです。




Q8 禁煙で病気が減ると病院や製薬会社が困るのではないでしょう。

A8 理論上は病院などの経営が苦しくなるはずです。しかし、現在、実際は、患者の増加に医療関係者が対応できず、医師の過剰労働問題が起きています。医師不足が叫ばれています。医師を雇用する費用等が捻出できず、倒産する病院も出ています。
 この問題の解決には、今ある同じ医療費の枠の中で患者を減らし、医師の不足を解消すれば良いのです。簡単に言うと、患者を減らし、患者一人あたりの保険医療費、薬代を上げれば良いのです。これなら、誰も困りません。
 今の日本の医療の現状はマイナスのスパイラルに入っており、国家、医療関係者、患者、三者が損をしている状態にあります。
 社会の禁煙化によって、まず病気を減らすのが論理的です。



Q9 禁煙化でたばこ税収入が減るのではないでしょうか。

A9 減るでしょう。しかし、その分、病気などが減り、財政は黒字化すると言う研究もあります。
 そもそも、人の命を蝕んで税収入を得るなどは、国家のやるべきことではありません。
 覚醒剤を専売制にして、覚醒剤税をとれば、高額の税収があがるはずですが、そういうことをしている国家はほどんどないでしょう。
 たばこ税をあてにするような財政は変えてゆくべきです。


Q10  オリンピックに向けて全面禁煙化をしなければならないのに、なぜ、加熱式たばこは規制されなかったのでしょうか。

A10 加熱式たばこは健康被害が確認できないなどと、政治家は言っていますが、医学的には十分に健康被害を引き起こす証拠があります。ここにも禁煙団体の政治的思惑があります。
 残念ながら日本ではたばこ産業の影響力が強く、たばこの規制は極めて困難であるのは受動喫煙規制が政治的大論争になったのを見ればわかります。たばこ産業にとっては紙巻たばこを規制されても、加熱式たばこを普及されれば、ダメージを防止できます。それに対して、禁煙推進者はあくまで正論を通すべきなのですが、そうすると、たばこ会社から献金等を受けている政治家の支持が得られません。
 要するに金のために、自分たちの主張を曲げて、加熱式たばこを規制しないことに賛成してしまったのです。正論よりも権力に近づきたいと言う思惑です。実際、禁煙団体の理事・政治家から、現在禁煙の施設では加熱式たばこを吸えないようにすると言う規制を求める当会代表に対し、そもそもその主張を取り下げるようにわざわざ申し入れがあるなど、あきれたことがありました。正しいことをやるよりも自分の地位が優先なのです。情けないことです。日本では言っていることとやっていることが違う人がとても多いと言うその結果で しょう。
 当会ホームページにあります、「分煙は誤った考え方」の論点が今度は「加熱式たばこは健康被害がない」になったと言うことです。そして、その問題を作り出したのが、残念ながら、またもや、禁煙団体であったと言うことです。
 そして、この問題に関しては、右も左もなく、どの政党もまんべんなくダメなのです。それだけ根深い問題なのです。

(以下続く)





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